桃色コーナー

レジの前に十八歳未満お断りコーナーがある。
本が入ってきたら一応は並べるが、私も店長(母)もただ並べるだけで整理をしようとはしない。
せいぜい小説のダブリを調べたり、崩れた山を直したりするくらいだ。
しかし先日うちの店にしてはたくさんの官能小説が入ってきたので、意を決して写真集や雑誌を整理してみることにした。


君たちはいったいいつからこの店に居るのかね。


そう尋ねたくなるような本がざくざくと出てくるではないか。
どんなえっちな姿でも、どんなえっちなポーズでも、そんな太い眉毛では台無しである。
化粧がばっちりとバブリー。
女子大生がもてはやされたあのころが懐かしい。


あーもうレースクィーンもミニスカートもぽいぽいっだ!
いちおう男性に、後に化けた人がいないかチェックしてもらってからぽいぽいっだ!
公文堂の桃色コーナーはこれからも流行とは無縁の棚ぞろえであろう。
十年後が楽しみだ。