八幡さまのいちょうの木

kohbundou2010-03-10

鶴岡八幡宮の大いちょうの木が倒れました。実朝暗殺の際に刺客が隠れていたという、大階段の横にあったあのいちょうの木です。お客様から「いま八幡さまに写真を撮りに行ってきたよ」とデジタルカメラに保存された画像を見せていただいて初めて知りました。
わたくし二十代の十年間以外はこの地におりましたので信じられないことなのですが、千葉出身のT君はそれがどんないちょうなのか分らなかったのです。私は「鶴岡八幡宮の大いちょう」と言えば全国の人がその姿を思い出せると思っていたというのに。そこで店にあった八幡さまの写真がありそうな本を片っ端から開いてみました。
すると、そりゃそうですよ。鎌倉と言えば八幡さま、八幡さまと言えばいちょうですもの。どの本もしょっぱなっからいちょうの写真やら絵があるのです。幕末の写真集だって明治の写真だって八幡宮800年記念の写真だって昭和30年代の神奈川の写真だって関東大震災直後の写真だって、鶴岡八幡宮を写すのにあのいちょうの木が入らないということはないのです。古地図だってそうなんですよ。どれも八幡宮にはいちょうの木が描かれています。





折れてしまった。
「きっと何かの身代りになってくれたのよ」
という女性の言葉に、手を合わせて帰ってきました。