ある日の留守番電話

自宅に帰ると留守番電話が録音されていました。再生してみると、か細い女性の声でした。
「…お母さんです。最近連絡がありませんけれど、元気ですか。何か送ろうかと思ったんだけど、今年はじゃがいもが遅くて…お母さん、心配しているので、これを聞いて、もし良かったら連絡を下さい…待ってます…」
お母さん!お昼に店で別れたお母さん!不義理をしてごめんなさい!!
ではなくて、明らかに間違い電話です。どうも意を決してかけたような雰囲気で、もしここでこのまま終わってしまったら親子の縁が切れてしまいそうなせっぱ詰まったものさえ感じます。幸い自宅の電話は黒電話ではないので着信履歴からこのお母さんに電話してみました。
「突然で驚かれるとは思いますが、昼過ぎに息子さんか娘さんにお電話なさいませんでしたか?うちの留守番電話にお宅様の声が入っていまして、間違えておかけになったのではないかと…」
「ええっ、それじゃあこの番号にうちの子はいないということですか!?」
「いえいえっ、そういうわけではなくてですねえ、あの、何番におかけですか?」

誰だか知りませんが実家に長く連絡をしていない方、お母さんは大変心配なさっていますよ。たまには電話をしましょうね。