真夏の朝に見る夢は

私は夢をよく覚えています。最近では催事搬入の当日まで準備を忘れていたとか、催事で注文が一点もこなかったとか、催事の集合時間に行ったら日を間違えていたとか、市場に遅刻するとか、昼食の手配を間違えたとか、今ここにある不安がかなり直接反映された夢が多いです。普段から心配しているのだから夢の中でくらい忘れさせていただきたいと思います。
さて昨日まで神田の市場は夏休みでしたので、市会はありませんでした。そんな私が金曜日の朝に見た夢は。
何やら薄暗い、石造りの牢獄のような場所。そこには三十人くらいがいて、座りたいのに座る場所などなく、蒸し暑く、黴臭さに満ちています。女はごくわずかです。そこへ身なりの良い男が現れました。男が手にしている大きな鍋には白米が入っていることを皆が知っています。どこから取り出したのか飯盒の内蓋を持ち、一斉に男に向かって差し出すのでした。
私は人々にはじかれ、しかし白米を求めて懸命に群の中に入ろうとするのですが、またすぐに押し出されてしまうのです。
その時でした。私の横に(突然現れた)同業者のTさんが、大きな声を出してこう言ったのです。
「この子はこれから開札があるので先に通してあげて下さーい!」



開札。それは私が毎週金曜日に市場で従事する仕事の一つ。
明日はぐろりや展の陳列があります。また影響されたくありません。枕の神様ふとんの神様、どうか安らかな眠りを私にお与え下さい。