十三歳の主張と十五歳の私

kohbundou2011-11-02

妹が十三歳のときに学級弁論大会で書いた文章がでてきました。彼女は姉である私について書いています。
(そうか、君はあの頃、私のことを尊敬していたのか。喧嘩ばかりしていた記憶しかないのだが。)
妹は三つの点で私を尊敬しているのだそうです。



1.料理をする 最初はカレーと肉じゃがばかりで味も濃かったり薄かったりだったが今は高一とは思えないこだわりで、おいしい。
2. たくさん本を読む。でも歩きながら読むのは変人だと思う。
3. 仲良くしてくれる。でもファミコンで負けそうになるとリセットを押す。



あの頃、公文堂書店は支店を開いたばかりで、父はずっと日野店、母は店を閉めてから一時間かけて自宅まで帰り食事を作って翌朝は洗濯物を干して朝食と子供達のお弁当を作って一時間かけて鎌倉まで通って(おまけに長女である私がややこしくて学校さぼって映画だの寄席通いだの)…という生活でした。最初は土日の買い物だけでしたが、母を見かねて少しづつ夕食を作るようになり、大学入学で家を出る頃には週の半分以上は私が台所に立つようになっていました。何より私を奮い立たせたのは、「おつりは全部お小遣い」という好条件でした。おかげで今では立派なやりくり上手です。
本もたくさん読みました。授業中でも読みました。けれどそのせいで世界史の知識が全くなく、ポーランド人に「ポーランド語ってロシア語に似てるね」などと言ってポーランド史を熱く語られました。あの頃の私に会えたら言いたいです。世界史の授業は聞いておけ。そして名前が覚えられないからと言ってヨーロッパ文学を敬遠するのはもったいないぞ、と。



妹の目につくところが料理と本だった十五歳の私。酒を注げば今とまったく変わらないではありませんか。あの頃の私よ、その先の未来に私は立っているよ!



(そして今は小学校三年生の甥を完膚無きまでにうち負かすべく将棋の特訓をしています)