おまじない

古書展で「お店にもこれくらいの本を並べてよ」と言われることがあります。
私はお姉さんだのお嬢さんというような年齢ではありませんが、たいていのお客様の半分以下ではあるでしょう。
だから言いやすいのか、店への注文を店長たちではなく私に仰るのです。
しかしここでやり返してはいけない。相手を下手に喜ばせ私の時間が無駄になります。
「お客様みたいな方が毎日いらしてくれるんならね!」とか「じゃあ自分でやってよー」とか「説教するなら自分の子供にして下さい」といいたい気持ちをぐっとこらえて心の中で呟くのです。
「青い空…白い雲…広がる海…冷たいビール…」
これでたいてい何らかの感情が沸き起こるのを抑えることができます。
*1
明日は心穏やかに店番ができますように。

*1:冬は「春うらら…桜にぬる燗、横に美女」になります