カシオ計算機における中世という時代について

私はいくつかの携帯電話を試した後、ここ五年はずっとカシオの機種を使っています。漢字変換が一番スムーズだからです。作家の名前も割ときちんと変換してくれます。
最近の携帯電話には「予測変換機能」がありますよね。よく使う単語や最近使った単語、また著名人や企業などの主に名詞を、文字入力の途中で候補に挙げてくれる機能です。たとえば今「ひ」と一文字入れるだけで「日野 日野店 日の出 日の丸 日の 日野市 日野自動車」等が変換候補として出てきます。「かま」と入れれば「鎌倉 鎌倉店 釜 構え 鎌田 鎌倉市 蒲田 かまへん」、「かわばた」と入れれば「川端 川畑 河端 川端康成 川ばっかり 皮ばっかり」、「かわさき」と入れれば「川崎 川崎市 川崎製鉄 川崎重工業 川崎汽船 川崎病 」等々。著名人の名前などは、その携帯が発売された時期に流行していた名が出てきて面白いです。
さてある日、私は「ふじわら」と文字を入力しました。すると現れた予測単語は、
「藤原 藤原京 藤原不比等 藤原定家 藤原道長 藤原鎌足 藤原俊成 藤原純友 藤原秀衡 藤原善明 藤原美智子
だったのです。なにこの藤原氏の充実っぷり。プロレスラーとメイクアップアーティスト以外はみんな歴史上の人物ではありませんか。
それでは「みなもと」も入れてみましょう。
「源 源頼朝 源義経 源義家 源実朝 源頼朝の墓 水面と」
有名どころはほぼ網羅しているようです。
しかし「とくがわ」は「徳川 禿河」だけですし、「とよとみ」は「豊臣 豊臣秀吉」だけ。毛利も上杉も伊達も、姓のみで名は出てきません。「たけだ」に至っては「武田 竹田 武田薬品工業 武多 武田久 武田勝 武田真治 武田鉄也 武田美保」で、信玄は野球選手に負けています。
ひょっとしてカシオの携帯電話は中世に強いのでしょうか。藤原・源ときたら次は平です。「たいら」は、「平ら 平 タイランド タイラー 平将門 平良 平清盛」だけでした。逆に敦盛や維盛が出て来ちゃったらやりすぎかと思います。しかし清盛より将門が先なのは何故。新たな謎が生まれてしまいました。
いちおう源平藤橘の橘も入力してみたところ、出てきたのは「橘慶太」。いったい誰なのか全く分りません。