シバ

やや年輩の男性のお客さま。店に入るなり、「シバレンの本はある?」。
「文庫でもよろしいですか」と言いながら、「よっしゃー、あんまり売れないから沢山買って下さーい」と祈る私。
「いいよいいよ、シバレンのさ、ほら、あれ、あの…雲の上の…じゃなくって、何の上だったっけ…」
私は時代小説の棚に向かう足を止めました。
「あの、それはもしかしてシバレンではなくシバリョウの『坂の上の雲』ではありませんか?」
残念正解。それはあまり売れないどころかしょっちゅう聞かれる本ですよ。おそらく全国の古本屋で見られる光景ではないでしょうか。
店先の均一棚にある「龍馬がゆく」も早く売れますように。