漢字の説明 下

「もくせいどう」は木犀堂です。これを説明するのに、まず「金木犀の『木犀です』」と言いました。私が最初に飼った猫の名前が「木犀」で、いつもそうやって説明していたからです。しかし聞き取れないご様子。そこで言い方を変えようと思い、「じゅもくのもく、とですね、『室生犀星の犀』です」と大声で言ったものの、余計に通じません。「動物の『犀』」も駄目です。単語を聞いてぱっと思い浮かばないのでは、漢字のたとえに使えないようです。結局振り出しに戻って「金木犀」を連呼し、ようやく「木犀堂」にたどり着きました。
あとは木犀堂さんが営業していることを祈るだけ。
さて公文堂を説明するときは「公園の公に文章の文にお堂の堂」と言います。「おおやけ」のときもありますし、「公文式の公文と書いてこうぶんと読みます」と言うことも。たいてい間違えられるのは「弘文堂」です。個人名の場合は「野原の原」「知る、に子供の子」とか「高い低いの高に英雄の雄」「松竹梅の竹」とか。ちなみに妹は「順番の順に子供の子」なのですが、当て字でもないのに正しく読め人がほとんどいないので聞き返されることが多いようです。「じゅんこ」とか「よりこ」などというレベルではありませんよ。