看板息子3
オムツを買って店への帰り道。
甥っ子が動かなくなりました。
それは若宮大路のガードをくぐってすぐ御成通り方向へ曲がった踏み切りでのこと。
そこは電車好きの子供にとっては絶景ポイントでありました。
電車が通る度に「じぇいある!じぇいある!」「えにょでん!えにょでん!」と教えてくれるのですが、甥の興奮とは反対におねえちゃんはちっとも楽しくありません。
「翼、お店に帰ってお昼ごはん食べようよ」
十一時前に店を出たのにもう正午を過ぎています。
電車が途切れた隙を狙って甥を歩かせたその数分後、彼は「だっこ」攻撃にでました。
私は手におやつと水の入ったスーパーの袋と少量パックがなかったため非常に重いオムツを持っているのにどうやってだっこをしろと!
仕方が無いのでおんぶをして、片手で甥のお尻を支え、片手ですべての荷物を持ち、ずり落ちる甥を二十メートルおきに背負いなおして早足で店へと向かったのでございます。
しかし本当にたいへんなのはこれからなのでした・・・。
つづく