恋文
今日は日野店の整理をしました。
一日ずっと雨でした。
二月の雨は春を予感させ、ほのかに嬉しいものございます。
これが秋や初冬の雨ならば、いっそ雪をとさえ望む、冬の訪れを知らせる冷たい冷たい雨であったことでしょう。
そんな春の雨を聞きながら、私は日野店の本を整理しておりました。
雨の音と本を扱う音だけが響く日野の店。
何気なく手に取った一冊の本の、見返したった二ページに、それは書かれていたのです。
「俺は君が好きで堪らないんだ」
そんな文で始まる書き込みは、本と共に贈られた言葉であったのだと思います。
日付を見れば書かれたのは昭和の十年でした。
「女の様な気持に成って居る」
…。
えぇっ!
男のまま男の人が好きならば分るんですが、
女のような気持ちなのはよく分りません。
いや、そんなことより、美しい筆跡だと一目で分る人の、感情に溢れ乱れた文字。
昔の字なので読むのにも時間をかけてじっくりと読むことになります。
途中でいたたまれない気持になりながらも最後まで読んでしまいました。
この恋はどうなってしまったのでしょうか。
お願い教えて高見順〜!!
(高見順の本だったのです)