捨てる快楽 捨てる虚しさ

相変わらず日野の店を片付けています。
中に入ると、「本当に終わるのだろうか?」と不安な気持になります。
いつもそうです。
鬱々としてしまうのです。


とにかく増え続けた本を、何とか減らさなくてはなりません。
しかし日野の店を開いたのはもう約二十年も前のこと、
今は売れない本も値段の変わってしまった本もたくさんあります。
店長(父)は心を鬼にして、目録やネットで売れそうにない本は、ガンガン市に出すか捨ててしまうことを決心しました(私がそうさせたのさ)。


残せない本を選び、札をはがし、鉛筆で書いた値段を消す。
確かに、本がなくなってすっきりした棚や通路を見るのは快感です。
しかし考えてはいけないことがあります。
それは、仕入れ値。場合によっては市場で落とされる値段も。
だからこの作業を店長(父)はたいそう嫌がるのでした。


仕入れ値と売値だけを見れば確かに赤字です。
けれどその場に在る月日の家賃を考えれば、ここで決別しないといつまでも赤字を増やすばかりとなるのです。
私は仕入れ値を知りませんが、それでも時折手を止めて悩んでしまいます。


ああなんて虚しい、物との決別作業。
明日も頑張って消しゴムをかけます!
滞った水は流してやらないと腐っちゃうし!!
書いてるうちから葛藤が滲んでいますが、日野店を再開できるように働くのです!!!