高校生の履修不足問題

高校生のとき世界史が大嫌いで、授業中は読書の時間でした。
日本史もあまり好きではありませんでしたが、受験で使うので勉強はしました。
国立理系志望で地学がやりたかったのです。
結局、美大で美学(と言うか、民俗学?と言うか曖昧なところ)を学んで今にいたっております。


一年間浪人もして、朝五時起き夜11時就寝という正しい受験生でそれなりに勉強もしました。
けれど、一番身を入れて勉強をしていたのは大学時代です。
ものを知り、考え、真剣に遊ぶことがあんなに楽しいことにそれまで気づいていませんでした。


それから色々な国の人に会って、イギリスに一ヶ月ホームステイもして、十五年ぶりくらいにフランスで暮らしていたハーフの従姉妹にも再会して、
必要だったのは関係代名詞でも不定詞の用法でもなく、
中学までの英文法と間違えを恐れずに口を開く勇気と、世界史と日本史の知識でした。


私はイギリスで一緒に暮らしていたポーランドの人に「ポーランドとロシアの言葉って似てるね」と言ったことがあります。
そのあとものすごい勢いで、殆ど理解できないまま、ポーランドの歴史を語られました。
あわてて本屋さんでポーランドに関する本を買い、徹夜で読みました。


国際化というのは対等に会話でき主張できること以前に、他国と自国について知ることが必要なはずです。
日本がどうやって成り立ってきたのか、どうやって他国とかかわってきたのか、それも分からないまま、靖国や外交や天皇制についてうわべだけの世論を担うのはおかしいと思います。


こんな勉強で大学に入って日本をつくろうとしているんだもの、なんだか変な感じになるわけだ。
受験だけじゃなくて生きることとか社会に出たときに役立つこと、世界の常識くらいは高校で身につけた方がいいのではないでしょうか(わたくしあまり真面目に高校に行った覚えがないので消極的な書き方しか出来ませんが)。
今になって、古本屋になったと言うのもありますが、近現代史をやり直しているわたくしなのでした。


(あ、必要ない高校の英語をなくして世界史とか近現代史に当てればいいと思う。
本当に英語を身につけたい人は大学に行って一所懸命やるよ)。