買取先の通称

kohbundou2012-07-01

お客様のお宅に本を買取に伺いますが、量が多いと一度や二度では終わらない事は少なくありません。そんなとき、特に蔵書の主がお亡くなりになっている場合、何度か通ううちに自然と通称がついてしまいます。
誰がつけたのか忘れるけれど、しかしそう口にすれば一度で「あの家だ」と分かる、そんな名前です。
例えば、「文庫屋敷」。あらゆる部屋に文庫が置かれていました。その地層を見ると、本棚が一杯になると本棚の上に文庫を積み上げ、隙間に詰め込み、そうして一部屋が一杯になると次の部屋に移る。それを繰り返した結果、同じ文庫本がたくさん発見されてしまう、或いは「飛ぶが如く」や「龍馬がゆく」が何組も出来上がるという自体になってしまっていたのでした。
他にも、「お屋敷」「数寄屋造り(北鎌倉)」「数寄屋造り(材木座)」「ミズーリ号」等々、いろいろあります。
もし私の蔵書の買取に名を付けられてしまうことがあれば、それはきっと「酒」になってしまうことでしょう。ええ、望むところです。